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×マリーさんと最近の姫様
2ndの前半あたりの時間軸。
マリーさんと最近の姫様
最近の姫様は、いつの間にか部屋をお出になっている事が多いのです。
いえ、以前も屋敷の外へ散歩にお出かけになっていらっしゃるのは知っていたのですが、最近は本当に多いのです。
しかも、姫様のお部屋が…お部屋が…っ!!
私、出過ぎた真似とは分かっているのですが、姫様にお茶を運びに行った時に、ついつい聞いてしまったのです。
姫様のお部屋は、今まではすっきりしていて、確かに可愛らしい人形や宝石箱などがたくさんあったわけではないのですが、今の姫様のお部屋には…
「姫様…」
「はい?」
「何故、難しそうな本がこんなにたくさんあるのでしょう?」
「……ええっと」
困ったような表情をされる姫様。
姫様、姫様の困ったお顔は可愛らしいのですが、可愛らしい姫様のお部屋にこんな難しそうな分厚い本が5冊も並んでいるのは、ちょっとお部屋に合わないのです。
他にも、それほど分厚くはないのでしょうが、法術の専門書のようなものが並んでいるのです。
「そこのは何故か分からないのですが、エルグ陛下が贈ってくださったものなので、返すに返せないと言いますか…」
「…はい?」
「そっちのは、知り合いに頼んで借りているものです」
ちょ、ちょっと待って下さい。
姫様、エルグ陛下というのは、我が国ティッシの国王陛下であらせられる、エルグ・ティッシ様の事でしょうか?
え、え、え?!ひ、姫様ーー!
クルス殿下だけではなく、国王陛下にも気にられてしまわれたのですね!!
流石私の姫様です!!
「本当は陛下に頂いたものは、ちゃんとお返ししたいのですが、私が陛下に何かをお返しするというのはおかしいと思うのですそのままなんです」
困る姫様は本当に可愛らしいです。
ふっふっふ、私なんとなく分かりました。
国王陛下はきっと姫様の優しさを理解してらっしゃるのですね。
そうです!姫様に贈り物をする時は、絶対に断れないようにしなければ謙虚な姫様は受け取って下さらないのです!
なかなかやりますね、国王陛下!
ですが陛下、こんな分厚い書物は、可愛らしい姫様の部屋にはアンマッチです。
次の贈り物は、是非もっと可愛らしいものをお願いします!
「でしたら、姫様、こちらの書物はそのうち知り合いの方にお返しする予定なのですか?」
「うん。もう半分くらい理解したから、あと半分理解できたら返す予定です」
り、理解ですか…。
時々思うのですが、姫様って本当に9歳ですか?
セルド様は優秀とよく言われますが、私、姫様の方がずっと優秀なのではないかと思うのです。
「姫様は、…物語の書物などは読まれないのですか?」
「物語?」
こくりっと首を傾げる姫様。
か、可愛らしすぎますっ!!
あ、そうではなくてですね、姫様の年頃になりますと、男女の恋愛物語や、男女ではない恋愛物語などの物語の書物…小説を読まれるお嬢様方が多いと思うのです。
かくいう私も、いくつか姫様の年頃には読んでいましたし。
「お屋敷にあるそういう本は、たぶん大体読んでしまったから…」
……姫様?
どれだけ本読まれているのですか?!
このお屋敷の本ってかなり量がありますよ?!
「奥さまにお願いされれば、きっと新しい本を買って下さると思いますよ」
ええ、そうです!
あの奥さまならば、絶対に姫様に遠慮などさせずに大量に買って下さるに違いありません!
「え、えっと…、か、母様には頼み難いから」
ものすごく遠慮している姫様。
姫様、駄目ですよ!遠慮したら奥さまが悲しみます!
仕方ありません、ここはひとつ私が一肌脱ぎましょう!
「あ、あの、マリー?」
「はい、なんでしょう」
「あのね、母様に、何も言わなくていいからね」
ぎくりっ!
ひ、姫様、私がしようとしている事が分かったのですね。
せっかく奥さまに、姫様が本を欲しがっている事をこっそりお教えしようと思ったのですが……。
ふっふっふ、でも、姫様。
私はそんな言葉では止まりませんよ。
「ま、マリー」
「なんでしょう?姫様」
「本当に、本当に、母様には何も言わなくていいからね」
念を押してくる姫様。
姫様、本当に遠慮深すぎです!
やはりここは、エルグ陛下を見習って、姫様が贈られたものを返さないように強気で行かなければなりませんね!
姫様、私は心鬼にして奥さまに姫様が本を欲しがっている事を申し上げる事にします!
楽しみにしててくださいませ。
最近の姫様は、いつの間にか部屋をお出になっている事が多いのです。
いえ、以前も屋敷の外へ散歩にお出かけになっていらっしゃるのは知っていたのですが、最近は本当に多いのです。
しかも、姫様のお部屋が…お部屋が…っ!!
私、出過ぎた真似とは分かっているのですが、姫様にお茶を運びに行った時に、ついつい聞いてしまったのです。
姫様のお部屋は、今まではすっきりしていて、確かに可愛らしい人形や宝石箱などがたくさんあったわけではないのですが、今の姫様のお部屋には…
「姫様…」
「はい?」
「何故、難しそうな本がこんなにたくさんあるのでしょう?」
「……ええっと」
困ったような表情をされる姫様。
姫様、姫様の困ったお顔は可愛らしいのですが、可愛らしい姫様のお部屋にこんな難しそうな分厚い本が5冊も並んでいるのは、ちょっとお部屋に合わないのです。
他にも、それほど分厚くはないのでしょうが、法術の専門書のようなものが並んでいるのです。
「そこのは何故か分からないのですが、エルグ陛下が贈ってくださったものなので、返すに返せないと言いますか…」
「…はい?」
「そっちのは、知り合いに頼んで借りているものです」
ちょ、ちょっと待って下さい。
姫様、エルグ陛下というのは、我が国ティッシの国王陛下であらせられる、エルグ・ティッシ様の事でしょうか?
え、え、え?!ひ、姫様ーー!
クルス殿下だけではなく、国王陛下にも気にられてしまわれたのですね!!
流石私の姫様です!!
「本当は陛下に頂いたものは、ちゃんとお返ししたいのですが、私が陛下に何かをお返しするというのはおかしいと思うのですそのままなんです」
困る姫様は本当に可愛らしいです。
ふっふっふ、私なんとなく分かりました。
国王陛下はきっと姫様の優しさを理解してらっしゃるのですね。
そうです!姫様に贈り物をする時は、絶対に断れないようにしなければ謙虚な姫様は受け取って下さらないのです!
なかなかやりますね、国王陛下!
ですが陛下、こんな分厚い書物は、可愛らしい姫様の部屋にはアンマッチです。
次の贈り物は、是非もっと可愛らしいものをお願いします!
「でしたら、姫様、こちらの書物はそのうち知り合いの方にお返しする予定なのですか?」
「うん。もう半分くらい理解したから、あと半分理解できたら返す予定です」
り、理解ですか…。
時々思うのですが、姫様って本当に9歳ですか?
セルド様は優秀とよく言われますが、私、姫様の方がずっと優秀なのではないかと思うのです。
「姫様は、…物語の書物などは読まれないのですか?」
「物語?」
こくりっと首を傾げる姫様。
か、可愛らしすぎますっ!!
あ、そうではなくてですね、姫様の年頃になりますと、男女の恋愛物語や、男女ではない恋愛物語などの物語の書物…小説を読まれるお嬢様方が多いと思うのです。
かくいう私も、いくつか姫様の年頃には読んでいましたし。
「お屋敷にあるそういう本は、たぶん大体読んでしまったから…」
……姫様?
どれだけ本読まれているのですか?!
このお屋敷の本ってかなり量がありますよ?!
「奥さまにお願いされれば、きっと新しい本を買って下さると思いますよ」
ええ、そうです!
あの奥さまならば、絶対に姫様に遠慮などさせずに大量に買って下さるに違いありません!
「え、えっと…、か、母様には頼み難いから」
ものすごく遠慮している姫様。
姫様、駄目ですよ!遠慮したら奥さまが悲しみます!
仕方ありません、ここはひとつ私が一肌脱ぎましょう!
「あ、あの、マリー?」
「はい、なんでしょう」
「あのね、母様に、何も言わなくていいからね」
ぎくりっ!
ひ、姫様、私がしようとしている事が分かったのですね。
せっかく奥さまに、姫様が本を欲しがっている事をこっそりお教えしようと思ったのですが……。
ふっふっふ、でも、姫様。
私はそんな言葉では止まりませんよ。
「ま、マリー」
「なんでしょう?姫様」
「本当に、本当に、母様には何も言わなくていいからね」
念を押してくる姫様。
姫様、本当に遠慮深すぎです!
やはりここは、エルグ陛下を見習って、姫様が贈られたものを返さないように強気で行かなければなりませんね!
姫様、私は心鬼にして奥さまに姫様が本を欲しがっている事を申し上げる事にします!
楽しみにしててくださいませ。
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