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×マリーさんと甲斐君
こうして、甲斐はフィリアリナの屋敷で受け入れられたのでした。
ちょっと短いです。
ちょっと短いです。
マリーさんと甲斐君
私にはよく分からないままおさまったシュリとティッシの戦争ですが、どうやら和平条約を結んだようでして、色々ありまして、フィリアリナ家のお屋敷にイディスセラ族の方が1人滞在する事になりました。
黒髪に黒い瞳のイディスセラ族。
私達ティッシに住む者にとって、その黒は恐怖の象徴でしかありません。
私自身はイディスセラ族を直接目にした事はありませんが、法力の強大さと、冷徹で残酷で同族以外は人とも思わない種族と聞いております。
私達フィリアリナのお屋敷に勤める者にとって、イディスセラ族の滞在は恐怖でしかありませんでした。
勇気あるメイド頭が旦那さまに直談判もしました。
けれど、結局イディスセラ族を受け入れる事は拒否できなかったのです。
私達には、イディスセラ族に襲われてもそれに対抗する程の法力を持たないのです。
だから、だから、イディスセラ族の方が滞在されるようになれば、このお屋敷は常に張り詰めた糸のような緊張感が漂う雰囲気に包まれるのではないかと思っていたのです。
そう、私だけではなく、このお屋敷に勤める方々全てがそう思っていたはずなのです!
本当にそう思っていたのですよ!
けど、けど、けど…
「あ、甲斐。今、時間ある?」
「何か用か?」
「用事ってわけじゃないんだけど、一緒にお茶しないかなって思って。緑茶あるよ」
「マジ?!」
ものすごく気軽にイディスセラ族のカイ様をお茶に誘う姫様を目撃してしまったのです!
ひ、姫様…、何やらものすごく気さくに感じるのですが…。
「生憎と湯のみとかはないから、コップは紅茶用のものになっちゃうけど」
「全然構わないぞ!」
私、思いっきりなんとい言っていいのか分からなくなってしまいました。
なんと言いますか、カイ様の表情が表情が……とても嬉しそうな表情なのです。
「あ、マリー」
姫様が私の姿に気付きました。
同時にカイ様の視線も私の方を向きます。
ひ、姫様が平気なのですから、わ、私が取り乱すことなどあってはいけません。
向けられた黒い瞳が怖いだなんて言ってられません!
姫様のためです!
「はい、姫様」
にっこりいつもの笑顔を浮かべられた、私万歳です!
うう、姫様、私、内心、心臓ばくばくなんです。
「お水貰ってもいいですか?」
「お水ですか?よろしければお茶をお持ちしますが…」
「ううん、いいの」
何故お水なのでしょう?
姫様がご自分でお茶を入れるとしても、頼むならばお湯だと思うのですが…。
「シリン、何で水なんだ?」
「緑茶ってね、熱湯よりもそれより少し冷ました温度の方が甘味がでて美味しいんだよ。丁度いい温度まであげられる法術作ったから、お水の方がいいの」
「…相変わらずだな」
「相変わらずって、別にそんなに難しい法術じゃないよ」
いえいえ、姫様。
法術を作る事が事態がものすごいのです。
というより、法術って作れるものなのですね。
私、初めて知りました。
「姫様、お水はお部屋へお持ちすればよろしいですか?」
「あ、ううん。お庭でお茶したいので、お庭にお願いできますか?」
「はい、分かりました。お持ちしますのでお待ちくださいね」
楽しそうに姫様と会話をするカイ様。
こうしてみると、普通の年頃の少年に見えます。
髪の色と瞳の色を除けば…なのですが、やはり色が私達にとっては恐怖の対象なのです。
「お茶うけは芋羊羹だよ」
「芋羊羹?!なんで、そんなマイナーなの知ってるんだ?!」
「美味しいから」
「…それ、理由になってないんじゃないか?」
「そうかな?」
えーっと。
姫様が普通に会話しているのを離れた所から見る分には、もしかしたら全然平気なのかもしれないです。
姫様のように楽しく会話するのは無理かもしれませんが、私の姫様が怖がっていないのですからきっと大丈夫なのです。
けど、姫様ってばどうして全然平気なのでしょう?
イディスセラ族に浚われて怖い目にあったばかりだというのに…。
はっ!そう言えばそうでした!
私すっかり忘れていましたけど、姫様ってば、あのクルス殿下とすら全然平気でお話しできるのですよね!
クルス殿下はイディスセラ族並に怖いお方ですから、姫様平気なんですね!
成程、私、すごく納得です。
私にはよく分からないままおさまったシュリとティッシの戦争ですが、どうやら和平条約を結んだようでして、色々ありまして、フィリアリナ家のお屋敷にイディスセラ族の方が1人滞在する事になりました。
黒髪に黒い瞳のイディスセラ族。
私達ティッシに住む者にとって、その黒は恐怖の象徴でしかありません。
私自身はイディスセラ族を直接目にした事はありませんが、法力の強大さと、冷徹で残酷で同族以外は人とも思わない種族と聞いております。
私達フィリアリナのお屋敷に勤める者にとって、イディスセラ族の滞在は恐怖でしかありませんでした。
勇気あるメイド頭が旦那さまに直談判もしました。
けれど、結局イディスセラ族を受け入れる事は拒否できなかったのです。
私達には、イディスセラ族に襲われてもそれに対抗する程の法力を持たないのです。
だから、だから、イディスセラ族の方が滞在されるようになれば、このお屋敷は常に張り詰めた糸のような緊張感が漂う雰囲気に包まれるのではないかと思っていたのです。
そう、私だけではなく、このお屋敷に勤める方々全てがそう思っていたはずなのです!
本当にそう思っていたのですよ!
けど、けど、けど…
「あ、甲斐。今、時間ある?」
「何か用か?」
「用事ってわけじゃないんだけど、一緒にお茶しないかなって思って。緑茶あるよ」
「マジ?!」
ものすごく気軽にイディスセラ族のカイ様をお茶に誘う姫様を目撃してしまったのです!
ひ、姫様…、何やらものすごく気さくに感じるのですが…。
「生憎と湯のみとかはないから、コップは紅茶用のものになっちゃうけど」
「全然構わないぞ!」
私、思いっきりなんとい言っていいのか分からなくなってしまいました。
なんと言いますか、カイ様の表情が表情が……とても嬉しそうな表情なのです。
「あ、マリー」
姫様が私の姿に気付きました。
同時にカイ様の視線も私の方を向きます。
ひ、姫様が平気なのですから、わ、私が取り乱すことなどあってはいけません。
向けられた黒い瞳が怖いだなんて言ってられません!
姫様のためです!
「はい、姫様」
にっこりいつもの笑顔を浮かべられた、私万歳です!
うう、姫様、私、内心、心臓ばくばくなんです。
「お水貰ってもいいですか?」
「お水ですか?よろしければお茶をお持ちしますが…」
「ううん、いいの」
何故お水なのでしょう?
姫様がご自分でお茶を入れるとしても、頼むならばお湯だと思うのですが…。
「シリン、何で水なんだ?」
「緑茶ってね、熱湯よりもそれより少し冷ました温度の方が甘味がでて美味しいんだよ。丁度いい温度まであげられる法術作ったから、お水の方がいいの」
「…相変わらずだな」
「相変わらずって、別にそんなに難しい法術じゃないよ」
いえいえ、姫様。
法術を作る事が事態がものすごいのです。
というより、法術って作れるものなのですね。
私、初めて知りました。
「姫様、お水はお部屋へお持ちすればよろしいですか?」
「あ、ううん。お庭でお茶したいので、お庭にお願いできますか?」
「はい、分かりました。お持ちしますのでお待ちくださいね」
楽しそうに姫様と会話をするカイ様。
こうしてみると、普通の年頃の少年に見えます。
髪の色と瞳の色を除けば…なのですが、やはり色が私達にとっては恐怖の対象なのです。
「お茶うけは芋羊羹だよ」
「芋羊羹?!なんで、そんなマイナーなの知ってるんだ?!」
「美味しいから」
「…それ、理由になってないんじゃないか?」
「そうかな?」
えーっと。
姫様が普通に会話しているのを離れた所から見る分には、もしかしたら全然平気なのかもしれないです。
姫様のように楽しく会話するのは無理かもしれませんが、私の姫様が怖がっていないのですからきっと大丈夫なのです。
けど、姫様ってばどうして全然平気なのでしょう?
イディスセラ族に浚われて怖い目にあったばかりだというのに…。
はっ!そう言えばそうでした!
私すっかり忘れていましたけど、姫様ってば、あのクルス殿下とすら全然平気でお話しできるのですよね!
クルス殿下はイディスセラ族並に怖いお方ですから、姫様平気なんですね!
成程、私、すごく納得です。
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